日本の盆踊りはいかがですか

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  • 「おわら風の盆」(富山県): これはペアダンスの典型例と言えるでしょう
  • 男女がペアになり、情緒豊かな唄と胡弓の音色に合わせて、非常に優雅で
  • しっとりとした踊りを披露します。特に「組踊り」と呼ばれる男女ペアの
  • 踊りは、その艶やかさで知られています。軽快というよりは、
  • たゆたうような独特のリズムですが、ペアの動きが重要です。
  • 現代的な盆踊り(「にゅ~盆踊り」など): 近年、伝統的な盆踊りに新しい要素を取り入れた「にゅ~盆踊り」のようなイベントでは、よりコミュニケーションを重視し、フォークダンス的なペアの動きやハイタッチなどを取り入れた振り付けが人気を集めています。例えば、有名な歌謡曲の「好きになった人」などが盆踊りの曲として使われ、ペアで踊る振り付けがあることもあります。これは伝統的な盆踊りの枠を超えた新しい試みと言えます。
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日本のフォークダンス

日本で「フォークダンス」として知られているものの多くは、西洋(特にアメリカやヨーロッパ)のフォークダンスが日本に導入され、学校教育などで広く普及したものです。これらはペアで踊るものが多く、軽快なリズムの曲に合わせて踊られます。

  • オクラホマ・ミクサー: 日本のフォークダンスとして非常に有名で、男女がペアを組んで、3歩進んでホップするステップが特徴です。パートナーを交代しながら踊る「ミクサー」の一種で、軽快なリズムで楽しく踊れます。
  • コロブチカ: ロシアのフォークダンスですが、日本でも学校などで広く踊られています。男女ペアで踊り、手を叩いたり、ステップを踏んだりする軽快な動きが特徴です。
  • エース・オブ・ダイヤモンド: デンマークの農民の踊りで、男女ペアで腕を組み、円状に軽快なステップで移動します。日本でも古くから親しまれています。
  • タンゴ・ミクサー: 男女ペアでゆっくりとしたテンポで踊り、途中でパートナーを交代するフォークダンスです。

これらのフォークダンスは、伝統的な日本の踊りとは異なりますが、「ペアで踊る」「軽快なリズム」という点でご興味の対象になるかもしれません。

その他のペアダンスの例

  • ジルバ: 前述の通り、これは日本の伝統舞踊ではありませんが、日本で非常に広まったペアダンスであり、軽快なリズムで踊られます。

日本の伝統舞踊においては、社交ダンスのような明確なペアダンスの分類は稀ですが、盆踊りの一部や、他の国の影響を受けたフォークダンスの中に、ペアの要素や軽快なリズムを持つ踊りが見られます。

「おわら風の盆」の踊りの特徴

  1. 哀愁漂う音色と唄:

    • メインとなるのは「越中おわら節」という民謡で、三味線、太鼓、そして特に珍しい「胡弓」が使われます。胡弓の奏でる音色は、どこか物悲しく、情緒豊かな雰囲気を醸し出しています。
    • 唄は「七、七、七、五」の26文字で構成され、最後の5文字の前に「オワラ」が入るのが特徴です。
  2. 男女それぞれの踊り:

    • 女踊り: 揃いの浴衣を身にまとい、編み笠を深くかぶって顔を隠した女性たちが、しっとりと優雅に舞い踊ります。指先まで神経の行き届いた繊細な動き、流れるようなしなやかな足さばきが特徴で、その姿は「風の盆」の華と称されます。
    • 男踊り: 男踊りは、力強く、そしてどこかユーモラスな所作が特徴です。農作業の動きを取り入れたと言われるダイナミックな動きや、時に気高く、時に滑稽な表情を見せる踊りは、観客を魅了します。
  3. ペアでの「組踊り」や「夫婦踊り」:

    • 多くは「町流し」と呼ばれる、踊り手が列をなして町を練り歩く形ですが、一部の場所や演舞場では、男女がペアになって踊る「組踊り」や「夫婦踊り」が披露されます。
    • 男女が寄り添い、互いの動きに合わせて舞う姿は、より艶やかで、しっとりとした情緒を醸し出します。これは一般的な盆踊りには見られない、おわら風の盆独特の魅力の一つです。
  4. 編み笠と浴衣の美しさ:

    • 踊り手は、編み笠を深くかぶり、表情を隠して踊ります。これにより、踊りの動きそのものが際立ち、見る側の想像力をかき立てます。
    • 各町内(八尾町には旧町と呼ばれる11の町があります)ごとに異なる柄の浴衣や法被を身につけ、その美しさも祭りの見どころの一つです。
  5. 夜の幻想的な雰囲気:

    • 祭りのメインは夜の「町流し」です。夕暮れから夜にかけて、古い町並みに沿って並べられたぼんぼりに淡い灯がともり、その中を踊り手が静かに練り歩きます。街灯が消された中で、ぼんぼりの灯りだけが浮かび上がる幻想的な光景は、観客を「おわら」の世界へと誘い込みます。

「おわら風の盆」の歴史と由来

「おわら」の起源は江戸時代の元禄期に遡ると言われています。元々は、町作りに関する重要な文書を取り戻した喜びで、町人が三日三晩踊り明かしたことが始まりとも伝えられています。

「風の盆」という名称は、開催時期に由来します。9月1日頃は、立春から数えて二百十日(にひゃくとおか)にあたり、古くから台風が多く、稲が風害を受けやすい時期とされていました。この「風の厄日」に、風の鎮魂と豊作を祈願する「風鎮祭」が「風の盆」と呼ばれるようになったという説が有力です。また、この地域で休日のことを「盆日(ぼん)」と呼んだことも関係していると言われています。

このように、「おわら風の盆」は、単なる盆踊りというよりも、風の被害から五穀豊穣を願う祈りの踊りであり、300年以上にわたって洗練されてきた優美な芸能として、多くの人々を魅了し続けています。